
上画像…手持ち アカデミー社 (韓国) コッキングガン「ワルサー TPH」から、 サニーインターナショナル版(加工版 上)、セキトー版(無加工 下)
過去の記事の画像更新にあわせて…アカデミー コッキングガン「ワルサー TPH」関連、 サニーインターナショナル版(ハンマー加工版)とセキトー版(無加工版)
以前紹介した手持ち アカデミー社 コッキングガン「ワルサー TPH」は画像は画素が粗かったこともあり、今回整備ををかねて再撮影をした。
○アカデミー(韓国) コッキングガン「ワルサー TPH」(加工有) サニーインターナショナル 輸入版


上左画像…アカデミー(韓国) コッキングガン「ワルサー TPH」(加工部有) サニーインターナショナル 輸入版 右側面
上右画像…アカデミー(韓国) コッキングガン「ワルサー TPH」(加工部有) サニーインターナショナル 輸入版 左側面
○アカデミー(韓国) コッキングガン「ワルサー TPH」(無改造) セキトー 輸入版


上左画像…アカデミー(韓国) コッキングガン「ワルサー TPH」(無改造) セキトー 輸入版 右側面
上右画像…アカデミー(韓国) コッキングガン「ワルサー TPH」(無改造) セキトー 輸入版 左側面

左画像…アカデミー コッキングガン「ワルサー TPH」 外箱比較、「サニーインターナショナル」初回輸入版(上)と 「セキトー」社 輸入版(下)
アカデミー コッキングガン「ワルサー TPH」 は、輸入代理店が変わった事で初回に扱った「サニーインターナショナル」版と 「セキトー」社 輸入版が存在している。
この2社の輸入版だが、輸入販売時期も違うが(「サニーインターナショナル」廃業後 「セキトー」が輸入代理店になった)外箱の印刷も微妙に違うが、銃そのものも、仕様や構造が微妙に違っている。
外見でも判る違いは2点…
なお画像の手持ち「サニーインターナショナル」版は細部を少し加工している。「サニーインターナショナル」版の無加工状態は外箱の写真参照(日本国内販売Ver.のバレルは黒)
1、…「サニーインターナショナル」版のセフティーは、スライド(実銃と同じ位置)にあり機能している。
「セキトー」社輸入版は、スライドのセフティーレバーは単なるモールドになり、フレーム右側面でトリガーを直接ロックする方式に変わっている。
下画像…アカデミー コッキングガン「ワルサー TPH」 付属説明書比較。「サニーインターナショナル」初回輸入版(左)と 「セキトー」社 輸入版(右)

2、…セフティーの仕様変更のみならず、口径表示など刻印が変更されている。
注意…下画像の「サニーインターナショナル」版のスライドはエジェクションポート部分とセフティー部分を加工している。


上左画像…「ワルサー TPH」 右側面スライド比較 「サニーインターナショナル」初回輸入版〔加工〕(上)と「セキトー」社 輸入版無加工(下)
上右画像…「ワルサー TPH」 左側面スライド比較 「サニーインターナショナル」初回輸入版〔加工〕(上)と「セキトー」社 輸入版無加工(下)
画像の手持ちの「サニーインターナショナル」版〔加工〕は次のとうり。
1、バネで前後に動く(回転する)だけのハンマーに対し、シアー部に真鍮板を加工した「L型」部品を「ねじ留め」する事で、「シングルアクション」を再現した。
これは分解し、ハンマーにスリットが切ってあったから思いついた加工。(下 左画像参照)
なお、左画像の「ポンプ部の切り欠き」は、セフティーレバーの移動範囲を稼ぐための加工を行った結果。また、両者を比較してほしい、セフティーが移動した「セキトー」社版では ポンプのシアーを直接ロックするパーツがつけられていない
ところで、先にアカデミーが販売した「ワルサー PPK/S」で「シングルアクション」が再現されていた事を思えば、設計段階で「シングルアクション」を再現する予定だったのではないだろうか…


上左画像…アカデミー「ワルサー TPH」 サニーインターナショナル 輸入版 ハンマー関連(インナーフレーム 加工部あり)
上右画像…アカデミー「ワルサー TPH」 セキトー 輸入版 ハンマー関連((インナーフレーム 無改造)
2、スライド上でライブの「セフティーレバー」の移動範囲の変更。

左画像…アカデミー「ワルサー TPH」 サニーインターナショナル 輸入版 セフティー部加工部分
「セフティーレバー」の移動実銃を模した移動量に変更した。結果としてポンプのパーツを切り欠いて対応した(上の左側画像参考)。
また、「サニーインターナショナル」社が輸入した初期製品は、実物とは逆に「セフテイーレバーがスライド左側面」の「扇方の台座」に乗っかる形式。
スライド内にはポンプが内臓されているため、スライド左側面には「扇方の穴」を開ける事はできない。
考えた挙句 スライド側面の「扇方の台座」を削り飛ばし、厚さ0.5mm プラ板に「扇方の穴をあけ」貼り付けた。
厳密には前後でスライドの厚みが変わるが、左側面から見るだけならば違和感はないだろうと、目の錯覚を利用した。
3、「エジェクションポート」の開口

左画像…アカデミー「ワルサー TPH」 サニーインターナショナル 輸入版 エジェクションポート 加工部部分。
エジェクションポートを開口した。それにあわせ、ダミーの「エキストラクタ」ーと「エキストラクター プランシャー」をタミヤのプラ材でつくって接着した。
4、「トリガー ガード部」のモールド追加。

左画像…アカデミー「ワルサー TPH」 サニーインターナショナル 輸入版 トリガーガード加工部
フレームと一体の「トリガーガード」に対し、フレームに部品分割の溝を掘る事で「別パーツの雰囲気」を狙った。
小ネタ…TPHの形状について。
形状から「TPH」を「PPK」と同系列の銃として分類している人が多い(2010年の マルシン「PPK」モデルガン関連について語る方々)。
ところで「TPH」のダブルアクション機構は「トリガー バー」でハンマーを直接引っ掛ける方式。
これに対し、「PPK」はトリガーバーでシアーを回転(反時計方向)させる事で、ハンマーを起こす方式。
したがって、両者は外見は似通っているが「機構的に別物」。
なので外見だけで「PPK」系と「TPH」を同系列機種扱いする事は適切ではない。
ところで 「TPH」はポケットオート「M9」の戦後改良型「TP」の後継機種で、軍用ではなく民間販売用の用の商品。
なぜ「PPK」に似せた形状で「ダブルアクション」搭載なのだろうか?
今回、Doburoku-TAOの手持ち資料では「TPH」が60年代に発売されたことが判ったが、正式な開発理由や発売年を調べる事はできなかった。
「PPK」に似せた形状を選んだ理由で思い出した事例が、昔 「Gun」誌で読んだ「S&W M29」の販売でおきた現象。
「S&W M29」はその特殊なカートリッジゆえ、発売当初は売れ行きが悪かったそうだ。それが映画「ダーティーハリー」の公開後から「映画を見た人びと」からの注文が増え、それをきっかけに商業的な成功を得たそうな…。
同じような例として、「ベレッタ 92F」や「グロック」の映画での露出度の高さの理由の説明記事を読んだ記憶がある。
その事から「TPH」の形状が「PPK」に似ているのは、映画「007」シリーズの成功が背景にあるのではないだろうか?
「PPK」を買えない人のための「PPKもどき」を狙ったデザインではないのだろうか?
まぁ、裏づけ資料(ワルサー社の記録)のない状況では、想像するしかないのだが…(笑
おまけ
下画像…アカデミー社の「TPH」同様、ハンマーのシングルアクションを再現した アカデミー社の「P-22」